もういい加減にして!と困った「ブラジル」の日常生活でのできごと 3選

■ポイント1:ホイップクリームが作れない!ブラジルのクリーム事情に振り回される。

ブラジルのデザートといったら、砂糖はもちろんコンデンスミルクをたっぷり使ったものが多く、とにかく甘くて濃厚。たまには、日本の甘さ控えめでフレッシュなデザートが恋しくなります。

 

そこで、ブラジル生活にも慣れてきたある日、ショートケーキを手作りしようと生クリームを購入しました。ところが、購入したクリームがどれも泡だたず、何度もスーパーを行き来するはめになったのです。

 

最初に購入したのは、Ceme de Leiteという常温販売のクリーム。値段が手ごろで、スーパーで山積みになって販売されていたので、これで間違いないと思ったのです。

 

しかし、自宅で10分ほど泡だて続けても、何も変化がありません。常温だから泡だたないのだと思い、冷蔵庫で冷やして再トライしてみましたが、結局ホイップクリームを作ることができませんでした。

 

後で調べると、常温販売のCeme de Leiteは、牛乳からできたクリームで間違いないのですが、ホイップクリームを作るには脂肪分が足らないとのこと。ストロガノフなどの料理に使ったり、フルーツにそのままかけて食べるのが定番なのだとか。

 

次に購入したのは、冷蔵売り場に並ぶNataというクリーム。日本でも生クリームは冷蔵で売られているので、これなら泡だつのではと思ったのです。

ブラジルの日常

自宅で容器を開けると、既にもったりとした濃厚なクリームが。ちょっとあやしいと思いながら泡だててみると、あっという間にバターのように固くなってしまいました。残念ながら、Nataでもホイップクリームは断念。

 

パッケージをよく見ると、Nataはすでにクリームを泡だてたものと記載が。しかし、食べた感じはホイップクリームよりも濃厚で、バタークリームのようなのです。実際にブラジルでは、Nataをそのままバタークリームのように使ったり、クッキーやケーキの生地に混ぜ込んで使うことが多いのだとか。

 

そして最後に購入したのは、Chantillyというクリーム。製菓用品売り場で常温で売られており、パッケージにもホイップクリームらしき絵がプリントされていたので、これだと思いました。

 

紙パックの中身はごく普通の液体クリームで、常温でも泡だてると予想通りのホイップクリームが完成。筆者が購入したのは植物性だったのであっさりとした味わいですが、無事に手作りショートケーキを完成させることができました。

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写真のChantillyはパウダー状になっており、自分自身で購入した冷たい牛乳と混ぜ合わせてホイップクリームを作ります。こちらの方がミルクの味がしっかり味わえそうなので、次回はパウダー状のChantillyを試してみたいです。

 

ちなみに、日本では一般的な冷蔵販売の動物性生クリームは、ブラジルではなかなか手に入りません。値段も高く、現地では高級品なのです。ブラジルでは、クリームひとつに色々と種類があるので、注意が必要だと学びました。

 
 

■ポイント2:なぜこんなに種類が!?人々を困惑させるブラジルのコンセント事情。

ブラジルに来るまで、コンセントといえば一種類が常識なのだと思っていました。しかし、実際に現地に住み始めてビックリ。自宅アパートだけでも、コンセントの種類が三種もあったのです。

 

まず一つ目と二つ目は、下の写真のタイプ。横に平行に並ぶ丸い穴と、縦に水平に並ぶ長方形の穴と、二つのタイプのコンセントです。我が家では、この二つのタイプが一緒になっています。

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縦に並ぶ長方形の穴のコンセントは、実は日本と同じタイプ。日本から持ち込んだパソコンコードやスマホ充電器などが差し込めて、予想外に便利でした。

 

しかし、この二つのタイプのコンセントは古いので、建物によっては取り付けられていないことが。しかも、この型に対応した電化製品は、ブラジルではもう製造されていません。

 

三つめは下の写真のように、くぼみの中に丸い三つの穴があるタイプ。こちらは最新の型なので、たいていどの建物にも取り付けられていますが、逆に古い建物には、取り付け工事をしなければならなかったのだとか。

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なぜブラジルには三種類もコンセントがあるのか、詳細は分かりません。現地の人々の間では、新コンセントを取り巻く家電の買い替えや取り付け工事の促進によって、経済効果を期待したのでは、という憶測があるそうです。

 

本当に経済効果があったかどうかは置いておき、ブラジルのコンセント事情は実際のところ、不便で意味が分からないと現地の人々には不評。確かに筆者宅でも、家電とコンセントの組み合わせによってアダプターが必要なので、アダプターをいくつも購入するはめに。

 

例えば、洗面所のコンセントは最新のタイプなのですが、手持ちのドライヤーは古いので、アダプターが必要。よく使うものなので、ドライヤーにはアダプターを付けたままにしています。しかもアダプターは意外に場所を取るので、思い通りに片付かず厄介です。

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ブラジルではコンセントのほかにも、車の設備に関する法律など、ただ国民にお金を使わせるような、理解に苦しむ法律の変更が度々起こるのだそう。コンセントに関しては、もうこれ以上変更されないことを願います。

 

■ポイント3:事前に調べておけばよかった!高い、遅い、トラブル続きのブラジル税関。

ブラジル移住3ヶ月目のこと、慣れない土地での生活を心配した日本の家族から、日本食品や子供達へのプレゼントを送ったとの連絡が入りました。ブラジルでは日本のものが高値で売られているので、楽しみに荷物の到着を待っていたのです。

 

ブラジルのお国がらと日本からの距離を考え、たとえ国際高速便のEMSを利用しても、発送から到着まで一週間以上はかかるだろうと気長に待っていたのですが、なんと3週間待っても届きません。

 

不安になり、WEBでの追跡サービスを利用し荷物の行方を調べると、サンパウロの税関で長期間止まっていることが分かりました。その時は、なぜこれほど時間がかかるのか理解できませんでしたが、とりあえず荷物は無事だと分かったので、もう少し待つことに。

 

それから約1週間後、荷物に関する手紙が自宅に届いたので夫に内容を尋ねると、荷物に対する税金の支払いが必要とのこと。不満ながらも、それがブラジルの法律なら仕方がないと、記載のURLにアクセスし税金の支払いを進めると、その額に驚きです。

 

総額約25,000円の送付物に対し、筆者が支払った税金は240レアル。日本円にすると約7,500円と日本人からしても高額なのに、ブラジル現地の物価では2万円以上払った感覚なので、大変な出費となってしまいました。

 

よく調べると、ブラジルの輸入税は非常に高く、書籍や書類、500g以下の荷物を除き、基本的に全ての輸入物に最低60パーセントの税金が掛けられるのだそうです。筆者の場合、送付物の一部が絵本だったので、税金額は総額に対して60パーセント未満です。

しかも、税金の支払い義務は荷物を受け取る側にあるので、たとえ相手側からのプレゼントであっても、プレゼン代の半額以上を自分で支払って受け取ることに。誰かが事情を知らず、高価なものを送ってくれたとしたら、その時はどうしようと考えてしまいます。

 

この件を機に、日本の両親にはブラジルの関税事情を説明し、今後日本から送って欲しい物があれば、こちらから連絡すると伝えました。以前住んでいた英語圏の国では、税金を支払うことなく日本から荷物を受け取っていたので、とても残念です。

 

結局、発送から受け取りにも1ヶ月半かかり、あわせて高額な税金の支払いとダブルパンチ。日本から色々と送ってもらうより、高くても現地の日本食材店などで自分自身で購入した方が、結果安く効率が良いと気が付きました。

 

さて、ブラジルの税関はなぜこれほど時間がかかるのでしょうか。色々と事情はあるようですが、まず、荷物を一つ一つ開封チェックし、税金を計算しなければならないことがポイントです。

 

ただでさえ時間のかかる作業なのに、申告額が不明瞭だったり不信な場合は、内容物の価格を調べ直すことがあるそうなので、その場合はさらに時間がかかります。

 

さらに、クリスマスなどの祭日前後や、運送業者などのストライキに発送時期が重なると、予想をはるかに超えて受け取りが遅れることがあります。実際に、日本からのEMSを2ヶ月以上待ったという現地在住日本人もいるのです。

 

しかしどういう訳か、本来課税されるべき荷物が、課税されることなくそのまま届く場合があります。システムの問題か税関職員の気まぐれか、詳細は分かりませんが、不公平ながらその場合は、運が良かったと思うしかありません。

 

ブラジルのみならず海外へ荷物へ送る際は、現地の関税、配達事情などを把握しておくことが大切なのだと、心から実感した一件でした。

 

まとめ

今回ご紹介した3選は、ブラジル現在の景気や治安を目の当たりにすると、ほんの小さなことかもしれません。しかし、日本の細やかなサービスや、便利なものに囲まれた生活に慣れていると、現地で長く生活する上ではささいなことが意外にストレスになるものです。

 

そんな時は、「日本だったらこうなのに。」と比べるよりも、「○○できるだけありがたい。」と気持ちを切り替えることで、余計なストレスを減らすことができるかもしれません。

 

筆者の場合、今後もブラジルとは長い付き合いになると思うので、ちょっとのハプニングは笑い飛ばせるくらい、柔軟で強い心を持ちたいと強く思います。

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