店名に“自由(Liberté)”を冠するフレンチ・レストランが、東京・麻布十番の路地裏にひっそりとあります。オーナーシェフの武田健志氏いわく、本来、フランス料理の本質は自由(Liberté)なのだとか。
そんな武田氏が“気取らないフレンチ”を目指し、枠にとらわれない上質感を体現しようと、オープンさせたのが、この『リベルテ・ア・ターブル・ド・タケダ』です。
photo by restaurant.ikyu.com
地下鉄・麻布十番駅から徒歩5分。著名人もよく通う麻布十番商店街の裏手、脇道を入ると、大谷石の奥の壁に銀色の円盤が並ぶ不思議なビルが見えて来ます。
清々しい水の流れる庭に面したガラス張りの1階が、武田氏の提唱する“自由”への第一歩です。店内に入ると、緩やかなカーブの木の天井、窓際からは先ほどの大谷石を眺望できる空間が広がっています。入口からすぐのところには、シェフが料理を作る、レストランの要たるテーブルがあります。
これはまさに店名そのもの。これもまた武田氏の自信の表れでしょう。
そして、供されるのは、日本の四季折々の旬の食材の持ち味を活かした、武田氏が“自由”に創りあげる料理の数々です。
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武田氏は、『オテル・ドゥ・ミクニ』に入社後、渡仏。『トロワグロ』、『ジャルダン・テ・サンス』など一流店で研鑽を積み、帰国後、『サンス・エ・サブール』などを経て、『Restaurant-I』料理長に。
12年、すべての思いを込めた『リベルテ・ア・ターブル・ド・タケダ』をオープン。15年には、専門誌で一ツ星を獲得しました。
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武田氏が常に念頭に置いて腕を振るっているのは、いま、ここでしか食べられない季節ごとの料理を召し上がっていただく、ということ。(HPより抜粋)そのため、旬の国産食材は、積極的に取り入れるようにしているのだとか。なのでカツオやサンマなど、およそフレンチではお目にかかれない、ビックリな素材が飛び出してくることもあるのです。
「自分が食べたいと思うものしか作らない」という武田氏。ときには、シェフ自らが「トリュフはどうですか?」とテーブルまで売り込みに来てくれることも。
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ある日のディナーコースを紹介すると――。
アミューズは2皿。1皿目は大根にほぐしたズワイガニ。いくらのトッピングと、酸味のあるオゼイユのソースとブラックタピオカ、ハーブオイルのパウダーがアクセントになっています。それに北海道産のミズダコのあぶりとウイキョウのムース。ミズダコは青海苔と菊の花びらのジュレでいただきます。
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アミューズの2皿目は、とても凝った1品。
山椒をきかせたスッポンの身と刻んだエンペラを詰め込んだカネロニとフォアグラのソテー。そこに注がれるのは、生姜のきいたスッポンのスープ。さらに目の前でトリュフを削りかけてくれます。
そして魚料理は、羅臼産のカズベ。エイヒレです。表面はカリッと揚げてありコリコリの食感がたまりません。ケッパーと松の実を刻んだ香味野菜は、焦がしバターのソースでいただきます。
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メインの肉料理は、これもめずらしいエゾジカ。赤ワインと黒ニンニクの濃厚なソースがかかっています。玉ねぎとしめじが添えられ、バスサミコソースがお皿に柄を描きます。口にふくむと、クセも臭みもない上質なお肉。とてもふっくらと仕上がっています。
この日のデザートは、イチジクのバラエティでした。薄切りしたいちじくにサブレ。黒胡椒を効かせたイチヂクのアイスに、はちみつとレモンの泡のムース。マスカルポーネのムースとナッツに板チョコとミルクチョコのムースと、たっぷり。
コーヒーにミニャルディーズでシメです。敷居が高いというフレンチのイメージを完全に払拭した、武田氏が目指した“自由”。寛ぎながら味わう至高の贅沢がここにあります。
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■基本情報
店 名:リベルテ ア ターブル ドゥ タケダ(東京・麻布十番)
ジャンル:フランス料理
住 所:東京都港区麻布十番2-7-14 1F
アクセス:■大江戸線 麻布十番駅 … 7番出口より徒歩5分
■南北線 麻布十番駅 … 7番出口より徒歩5分
記事提供・協力:一休.comレストラン