いまさら人に聞きにくい!海外旅行に必要な「ビザ(査証)」について

はじめに

昨今は、気軽に海外旅行ができますが、それでもパスポートがないと渡航することはできません。

なぜ、パスポートが必要なのかというと、空港で、その旅行者のパスポートが渡航時に有効であるかを確認するためです。

その際、渡航する国によっては、パスポートだけでなく、ビザ(査証)が必要になります。

今回は、「ビザ(査証)」についてご紹介いたします。

ビザ(査証)とは?

そもそも、「ビザ(査証)」とはなんでしょうか?

ビザは、日本語では「査証」(さしょう)と表現されます。

ビザ(査証)は、渡航する人のパスポートが現在、有効であるか、入国や出国を許可できるかどうかを証明するためのもので、パスポートのビザのページにスタンプが押されたり、ステッカーなどによって発行されます。

したがって、海外渡航者は、入国する際には、必ず渡航先の国がビザ(査証)を要するかどうかを大使館・総領事館に確認する必要があります。

なお、ビザ(査証)の取得は、日本国籍を持っている人が海外に渡航する際に必要のある場合とない場合があり、ビザ(査証)を取得する必要のある場合でも、渡航先の国や渡航する目的、滞在する期間などによって種類が異なります。

下記にビザ(査証)を理解を深めるためのチェックポイントをまとめました。

日本のビザ(査証)の種類について

日本のビザ(査証)の種類は、大きく2つ、「就労が認められる在留資格」と「就労が認められない在留資格」あります。

就労が認められる在留資格

就労が認められる在留資格は、4つの種類があり、下記の通りです。

1)外交査証
2)公用査証
3)就業査証
4)留学査証

なお、4)の留学査証は、本来の目的は学業であるため、労働時間が1週間に28時間までと制限されています。

また、個々の許容内容によって就労が認められるかどうかを判断される「特定査証」があります。

就労が認められない在留資格

就労が認められない在留資格には、5つの種類があり、下記の通りです。

1)観光査証
2)一般査証
3)短期滞在査証
4)通過査証
5)医療滞在査証

ビザ(査証)の必要な国について

ビザ(査証)の必要な国は、以下の通りです。

1)アジア
アフガニスタン・イスラム国、インド、インドネシア共和国、カンボジア王国、北朝鮮、スリランカ民主社会主義共和国、タイ王国、ネパール、パキスタン・イスラム共和国、バングラディシュ人民共和国、東ティモール、ブルネイ・ダルサラーム国、ブータン王国、ベトナム社会主義共和国、マレーシア、ミャンマー連邦共和国

なお、インドネシア共和国、タイ王国、ブルネイ・ダルサラーム国、ベトナム社会主義共和国、マレーシア、ミャンマー連邦共和国については、滞在目的などによって不要な場合があります。

2)中近東
イエメン共和国、イラク共和国、イラン・イスラム共和国、オマーン国、カタール国、クウェート国、サウジアラビア王国、シリア・アラブ共和国、バーレーン王国、ヨルダンハシュミット王国、レバノン共和国

3)アフリカ
アルジェリア民主人民共和国、アンゴラ共和国、ウガンダ共和国、エジプト・アラブ共和国、エチオピア連邦民主共和国、カメルーン共和国、ガーナ共和国、ギニア共和国、ケニア共和国、ガボン共和国、コモロ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール共和国、ザンビア共和国、ジブチ共和国、ジンバブエ共和国、スーダン共和国、タンザニア連合共和国、ナイジェリア連邦共和国、ナミビア共和国、ニジェール共和国、ブルキナファソ、ベナン共和国、マダガスカル共和国、マラウイ共和国、マリ共和国、モザンピーク共和国、リベリア共和国、ルワンダ共和国、中央アフリカ共和国、大リビア・アラブ社会主義人民国

なお、ナミビア共和国については、滞在目的などによって不要な場合があります。

4)東欧
アゼルバイジャン、タジキスタン共和国、トルクメニスタン、マケドニア共和国、ロシア連邦

なお、マケドニア共和国については、滞在目的などによって不要な場合があります。

5)西欧
なし

6)北中米・カリブ
アメリカ合衆国、キューバ共和国、ドミニカ共和国、ドミニカ国(英国)

なお、ドミニカ共和国、ドミニカ国(英国)、プエルトリコについては、滞在目的などによって不要な場合があります。

7)南米
ブラジル連邦共和国、ペルー共和国、ボリビア多民族国

なお、ペルー共和国、ボリビア多民族国については、滞在目的などによって不要な場合があります。

8)オセアニア
オーストラリア、ナウル共和国、パプアニューギニア独立国

9)ミクロネシア
なし

ビザ(査証)が必要のない国について

ビザ(査証)の取得が不要な国は、以下の通りです。

1)アジア
シンガポール共和国、大韓民国、中華民国(台湾)、中華人民共和国(中国)、フィリピン共和国、香港特別行政区、マカオ特別行政区、モルディブ共和国、モンゴル国、ラオス共和国

2)中近東
アラブ首長国連邦(UAE)、イスラエル国、トルコ共和国

3)アフリカ
セネガル共和国、セーシェル共和国、チュニジア共和国、ボツワナ共和国、モロッコ王国、モーリシャス共和国、南アフリカ共和国

4)東欧
アルメニア共和国、ウクライナ、ウズベキスタン共和国、エストニア共和国、カザフスタン共和国、キルギス、クロアチア共和国、ジョージア、スロヴェニア共和国、スロバキア共和国、セルビア共和国、チェコ共和国、ハンガリー共和国、ブルガリア共和国、ベラルーシ共和国、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポーランド共和国、モルドバ共和国、モンテネグロ、ラトビア共和国、リトアニア共和国、ルーマニア

5)西欧
アイスランド共和国、アイルランド共和国、アルバニア共和国、アンドラ公国(フランス)、イギリス(グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国)、イタリア共和国、オランダ王国、オーストリア共和国、キプロス共和国、ギリシャ共和国、グリーンランド、サンマリノ共和国、ジブラルタル(英国)、スイス連邦、スウェーデン王国、スペイン、デンマーク王国、ドイツ連邦共和国、ノルウェー王国、バチカン市国、フィンランド共和国、フランス共和国、ベルギー王国、ポルトガル共和国、マルタ共和国、モナコ公国、リヒテンシュタイン公国(すいすルクセンブルク大公国)

6)北中米・カリブ
カナダ、メキシコ合衆国、エルサルバドル共和国、グアテマラ共和国、コスタリカ共和国、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ共和国(英国)、ニカラグア共和国、ハイチ共和国、バハマ国(英国)、バルバドス、パナマ共和国、ベリーズ、ホンジュラス共和国

7)南米
アルゼンチン共和国、ウルグアイ東方共和国、エクアドル共和国、コロンビア共和国、チリ共和国、パラグアイ共和国、ベネズエラ・ボリバル共和国

8)オセアニア
キリバス共和国、クック諸島、サモア独立国、ソロモン諸島、ツバル、トンガ王国(英国)、ニューカレドニア(フランス)、ニュージーランド、バヌアツ共和国、フィジー共和国、フランス領ポリネシア(タヒチ)、米領サモア(米国)

9)ミクロネシア
グアム(米国)、パラオ共和国、マーシャル諸島共和国、ミクロネシア連邦、着たマリアナ諸島(サイパン)

ビザ以外に手続きが必要な国(主要)について

ビザ(査証)の申請が免除されていても、事前にオンラインによる渡航認証が義務づけられている国もあります。

下記に主要なものをご紹介します。

1)米国への渡航
短期の商用や観光などで90日以内の滞在目的で旅行する場合には、ビザ(査証)は免除されます。

ただし、米国に渡航する人は、滞在期間の長さにかかわらず、米国行きの航空機や船に搭乗する前にオンラインで渡航認証(ESTA)を受ける必要があります。

2)カナダへの渡航
6ヶ月以内の滞在ではビザ(査証)は免除されますが、カナダに空路で入国する場合には、航空機に搭乗する前にオンラインで渡航認証(eTA)を受ける必要があります。

3)オーストラリアへの渡航
3ヶ月以内の観光または商用での滞在の場合は、ビザ(査証)は免除されますが、渡航前にオンラインで電子渡航認証(ETA)を受ける必要があります。

4)ニュージーランドへの渡航
有効なビザ(査証)を取得していない場合には、電子渡航証(NZeTA)を事前に取得する必要があります。

なお、「NZeTA」はビザ免除対象国に発行するパスポートでの旅行者も対象となりますので、日本パスポートの保有者も必要です。

▼キーワードチェック:渡航認証

渡航認証とは、ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program/VWP)の一環として短期で渡航する際に必要な入国審査制度で、認証の必要な国に渡航を希望する場合には事前に申請を行い、取得する必要があります。

ビザの取得方法について

もし、海外に渡航する人が、渡航先でビザ(査証)が必要であるとわかったら、ビザ(査証)を申請します。

海外に渡航することが決まった人は、渡航する前に日本国内にある渡航先の国の大使館・総領事館に連絡して最新情報を入手した上で、ビザを申請します。

その後、該当する国の大使館・総領事館にて申請内容についての審査が行われ、ビザ(査証)が発行されます。

なお、ビザ(査証)の発行には国によって1ヶ月以上かかる場合もありますので、余裕を持って申請するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか。

仕事や観光など、さまざまな目的で海外に旅行する場合には、その渡航先によってはビザ(査証)の申請が必要なことがわかりました。

また、ビザ(査証)が免除されていても、渡航認証の申請が必要な国もあるようです。

渡航する国が決まったら、十分に余裕をもって該当する国の大使館・総領事館に連絡して最新の情報を入手し、必要に応じて申請しておきましょう。

特に、商用で渡航する場合には、現地での作業内容によってビザ(査証)が異なることもあります。

また、ビザ(査証)は、短期間で観光を目的をする滞在の場合に免除されることもありますが、国によっては事前に通告することなくビザ(査証)手続が変更されるということもあります。

もし、渡航することが決まったら、渡航前には日本国内にある渡航先の国の大使館・総領事館に連絡して最新情報を入手するようにしましょう。

このとき、渡航先でビザ(査証)が必要である場合は、必要なパスポートの残存期間についても確認しておくとよいでしょう。

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