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「法隆寺地域の仏教建造物」について
「法隆寺」とは、奈良県生駒郡斑鳩町にあり、7世紀(607年頃)に創建された仏教施設で、聖徳太子にゆかりのある寺院です。
この「法隆寺」にある仏教建造物は、主に金堂・五重塔・中門・回廊のある西院伽藍と夢殿のある東院伽藍に分けられます。
これらの建造物群は、「法隆寺」とともに、1993年に日本で初めての世界遺産として登録されました。
また、世界遺産の法隆寺地域に含まれる「法起寺」は、7世紀に創建されましたが、現在は、706年に完成した三重塔のみが残っており、「法隆寺」の西院と同様に、初期の仏教建築の様式によって創建された建築物です。
具体的な物件 法隆寺、法起寺
所在地 奈良県生駒郡斑鳩町
推薦年月 平成4年
記載年月 平成5年12月
区分 文化遺産
「法隆寺」の仏教建造物の特徴・おすすめスポット その1:五重塔(西院伽藍)
「法隆寺」の五重塔は、31.5メートルの高さがあり、寺院のシンボルとなっています。
屋根は上に向かうにつれて小さくなっており、塔の中は塔全体を支える心柱や木組みの構造が見られ、現代の建築物にも応用されている耐震技術が用いられています。
この五重塔の最下層には、奈良時代初期の彫塑群が安置されており、そのうちの80点は国宝に指定されています。
また、五重塔の先端には「相輪」とよばれる装飾がほどこされ、他の五重塔と比べて「鎌」がかけられていることが、「法隆寺の相輪」の特徴となっています。
この相輪の「鎌」は、これまで「法隆寺の七不思議」の1つでしたが、この鎌を作った刀工の古文書によって、雷をよけるためのまじないであることが判明しました。
と言うのも、当時は、五重塔が地域の中で最も高い建物だったため、落雷による火災に見舞われることがあったようです。
なお、彫塑群は網越しに覗くことになり、相輪にほどこされた「鎌」をしっかり肉眼で確認したい場合には、双眼鏡を持参するとよいでしょう。
法隆寺の七不思議:法隆寺の威光を誇張するための伝説と言われています。
残り6つの不思議は、1)「法隆寺には蜘蛛が巣を張らず、鳥はフンをしない」2)「大雨でも南大門の前の鯛石より先に水が入らない」3)「雨が降っても地面に穴が開かない」4)「因可池(よるかのいけ)のカエルの片目がない」5)「夢殿の礼盤の裏は汗をかいている」6)「法隆寺には3つの伏蔵(宝物殿)がある」です。
法隆寺建造物の特徴・おすすめスポット その2:大講堂(西院伽藍)
「大講堂」は、西院伽藍の奥にあり、法要や仏道の際に利用されるものです。
この大講堂は、平安時代の中期に落雷により焼け落ちましたが、990年(正歴元年)に再建され、西院伽藍のなかでもっとも大きく迫力があります。
「大講堂」の中には国宝の薬師三尊像があり、この三尊像の中心にある薬師如来像は、全長が2.5メートルもあり、金堂の薬師如来よりふっくらとした丸みを帯びています。
また、この「大講堂」には、重要文化財の四天王像もまつられており、仏像ファン必見のスポットと言えるでしょう。
法隆寺建造物の特徴・おすすめスポット その3:夢殿(東院伽藍)
「夢殿」は、東大門を抜けると聖徳太子が居住していた斑鳩宮跡につくられた東院伽藍の中心あり、聖徳太子の供養のために建てられました。
この「夢殿」は、気品のある八角円堂で、ドイツの世界的な建築家であるブルーノ・ダウトから「建築の真珠」と名付けられたほどの建築美で、厳かで神秘的な雰囲気があります。
「夢殿」の本尊には、聖徳太子の等身を基に創られたとされ、絶対秘仏として護られてきた「救世観音像」があります。
この像は、明治17年(1884年)になってようやく、岡倉天心と東洋美術家であるフェロノサによって開帳されました。
「救世観音像」は、保存状態もきわめてよく、全長178.8センチの細身で顔におだやかな笑みをたたえています。
なお、現在は、春と秋の年2回、開帳されています。
法隆寺建造物の特徴・おすすめスポット その4:中門
「中門(ちゅうもん)」は、バス停「法隆寺門前」からすぐの南大門をくぐると正面に見え、大きな特徴は真ん中に立っている柱です。
本来、日本の寺院は柱間を奇数にして建てられることが一般的だったため、4つの柱間のある法隆寺の中門は、とてもめずらしい構造になっています。
この門を守護している2つの金剛力士像は、日本最古のもので、国宝に指定されています。
なお、現在は、この門を通ることはできませんが、五重塔を借景とする門や像の威容は、飛鳥時代の息吹を感じながら立ち止まって眺める価値があります。
観光課や公式サイトからの情報まとめ (動画など)
法隆寺 公式サイト
法隆寺iセンター
http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/
法隆寺 紹介動画 Temple
アクセス方法
住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1の1
「法隆寺の仏教建造物」への電車・バスでのアクセスは、下記の通りです。
1)JR法隆寺駅より、徒歩20分、または、バスで「法隆寺参道」行き「法隆寺参道」下車
2)JR王子駅(北口)より、バス「国道横田・シャープ前・法隆寺前」行き、「法隆寺前」下車
3)近鉄筒井駅より、バス「JR王子駅」行き「法隆寺前」下車
最寄り空港は、大阪府にある「伊丹空港」です。
まとめ
いかがでしたか。
法隆寺は、世界最古の木造建築物群である西院伽藍もあり、国宝や重要文化財に指定されている文化財も数多くあります。
世界遺産にも登録された法隆寺の仏教建造物をまだ訪れたことがない方は、ぜひ、一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。