天橋立を渡り切ると、丹後一宮「籠(この)神社」が鎮座しています。籠神社は丹後随一の格があり、その本殿は伊勢神宮と同じ唯一神明造り伊勢神宮と非常によく似た造りであるのはこの籠神社のみです。
現在は伊勢神宮におられる天照大神が守護していたこともあった元伊勢としても有名です。主祭神は彦火明命(ひこほあかりのみこと)、相殿に豊受大神(とようけのおおかみ)、天照大神(あまてらすおおみかみ)がお祀りされています。
ところで伊勢神宮では、一般庶民が参拝できるのは社殿手前の門までで、その奥には天皇皇后両陛下、内閣総理大臣、閣僚、企業社長、といった要人しか入ることが許されませんが、籠神社では「世俗化させてはならない」という代々宮司の教えの元、この写真でもわかるように、どのような身分であっても、本殿の真ん前まで来て参拝することができます。
籠神社には、日本最古と言われている家系図が発見されており、国宝にも認定されています。
籠神社は、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之氏が、パワースポットとして訪れた奥宮があることで一躍有名になりました。
観光客もほとんど参拝しない、奥宮の真名井神社は、現在は本殿より後ろは見ることはできなくなりましたが、五穀豊穣の女神である豊受大神が最初に降りられた場所として、日本固有の古神道における八百万の神の依代である「磐座(いわくら)信仰」の時代を現代に継承しています。
本殿の真後ろにある磐座は、写真手前より天照大神、イザナギ・イザナミ両神、一番奥に豊受大神がお祀りされています。古代の盤座信仰が現代にまで継承されています。また、この盤座には当代宮司の身長と同じ長さの棒が刺してあります。その棒は、宮司は神々の寄り代であることを表していて、神々がご降臨される際の目印になっているのだそうです。
真名井神社には、御霊水「天の真名井の水」が湧き出ています。高天原(たかまがはら)におられた豊受大神がこの地をお選びになられたのは、この清水が湧き出ていたからだ、とも言われています。
尚、日本各地に点在する「真名井」の名がついた水は、この「天の真名井の水」を注ぐことによって「真名井」の名がつけられた、とも言われています。また、昭和天皇崩御の際にもこちらのお水を宮内庁の方が汲みにこられたそうですが、古来現人神(あらひとがみ)とされてきた代々の天皇や、皇室との深い繋がりが伺えます。