店名の「FinS(フィネス)」とは、フランス語の「Finesse(フィネス)」に由来。アルファベットの“S”と同じ発音になる“esse”の部分を、オーナーシェフの杉本敬三氏のイニシャルの“S”と重ね、「FinS」と表しています。「Finesse」という単語には、「余韻、洗練された質の良さ」という意味があり、フランス人が本当においしいワインや料理を食べた時に、「Finesse」と表現するそう。
杉本シェフは、この“フィネス”を感じるクオリティを目指し、妥協を許しません。料理やワインだけでなく、その料理とワインを味わうための器やグラス、空間、サービスなど、すべてにおいて徹底的にこだわり抜いています。
そこには、ここへ来るお客様のがんばった自分へのご褒美として、最高のおもてなしをしたいという杉本シェフの思いが込められています。
photo by restaurant.ikyu.com
店舗デザインのコンセプトは、直線からできる文字「F」と曲線からできる文字「S」からなる直線と曲線のマリアージュ。扉を開けると、地階とは思えない天井の高い開放的な空間が広がっています。
円形のテーブルをゆったりと配し、贅沢な遊びを持たせた全面造作の空間は、まるで華やかな貴族たちの社交場のようです。
『ラ フィネス』では、まずバーカウンターに通されます。これは高級ホテルで部屋に入る前に、BARへ行き、ひと息つくのと同じ機能を果たしています。
心が落ち着き、今あるものに意識を向けることができます。バーカウンターでシャンパーニュとアミューズをいただいた後、赤い絨毯の敷かれたダイニングへ移動します。
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直線と曲線が見事に調和したヨーロッパ調のダイニング空間。中央の弧を描いた白壁は、左官職人が塗り上げたもの。天井には、日本の伝統建築技法である組手を用いた間接照明。
料理に最適なワイン選ぶための1200本入るワインカーブ。そのワインに合うグラスを選ぶために70種720脚を揃えたワイングラスが並ぶガラスのグラス棚。
メニューブックや器も、この空間にあるすべてが日本の職人やアーティストの手によるフルオーダーによるもの。そう、ここにはフランスに長くいた杉本シェフだからこそ分かる、日本の文化や職人技が散りばめられています。
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杉本シェフは、8歳から日本料理の基礎を学び、実力主義のフランスで12年間培ったフレンチの本質を貫いています。フランスの古典料理を大切にしつつ、分解、再構築して仕立て上げる自身の料理を「AUTODIDACTE(独学者)」と表現し、「自分が一番行きたいレストランを自分の店で体現している」といいます。
料理はコースのみで、メニューにはその日の食材のみが記されています。その理由は、お客様にとって最高の調理法で杉本シェフが料理を仕立てるからです。
お客様の好きなものや苦手なものを聞き、杉本シェフがおいしいと思う最高の食材で、杉本シェフがおいしいと思う最高の状態に仕立て上げます。だからこそ、食材集めにも余念がありません。
ある日のディナーメニューを紹介すると――。
液体窒素を用いて、雲海のような演出とともにサーブされるひと皿。アオリイカにほんのり焼き目のつけサラダ仕立てにし、魚のプロテインと卵白を用いて不要物を取り除いた透明のブイヤベースをパウダー状にして添えています。
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付け合わせの野菜は一切なく、磯の香りと濃厚なバターソースによって仕立てた、和食の潮汁のようなひと皿。千葉県いすみ市の天然の真鯛と鮑を蛤のジュースの中に合わせ、北海道昆布森産の真鱈の白子と雲丹を添えています。
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牛肉のコンソメでポトフのように仕立てたひと皿。熊本県阿蘇で環境や食事は野生と同じように与え、ストレスフリーで育てられた「井さんのあか牛」に、高知の秋の味覚である四方竹と国産の天然キノコを合わせています。
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料理は杉本シェフがサーブします。基本的には料理の説明はしません。食材のルーツを説明して、どんなふうに合わせておいしくなるように調理したかを伝えます。
さらに、料理に合う上質なワインを正当な価格で提供するため敢えてソムリエは置かず、料理との相性を熟知した杉本シェフが自らワインの提案もサービスも行います。
食材は、軽くオリーブオイルでソテーする日もあれば、煮込む日もある。共通していることは、フレンチの醍醐味であるソースまたはコンソメを用いることで、素材そのものの味がうまく引き立てられ、噛めば噛むほど味や香りが際立つ料理であること。
あなたの特別な日のご褒美に、目で、耳で、鼻で、舌で、肌で、五感を目一杯に使って、杉本シェフの創り出す“フィネス”を感じてみてください。
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■基本情報
店 名:La FinS(東京・新橋)
ジャンル:フランス料理
住 所:東京都港区新橋4-9-1 新橋プラザビルB1
アクセス:JR線 新橋駅 烏森口より徒歩約5分。
新橋西口通りを抜けて、マッカーサー通りに面した新しいビルの地下1階。
記事提供・協力:一休.comレストラン