友ヶ島は、和歌山県の紀淡海峡に浮かぶ南国の別天地、地ノ島・虎島・神島・沖ノ島の4つの島の総称です。一般的に友ヶ島は沖ノ島のことを指しています。その所以は、虎島・神島が沖ノ島にへばりつく様にして存在している小島であることと、地ノ島の周囲が断崖絶壁のため、ほとんど利用されていないことからです。
友ヶ島は全長約3キロ、全周約7キロ、最高地点の標高120メートルの小さな島で、明治時代、大阪湾を守る軍事の重要拠点として砲台が設置されました。また、一般人の居住は第二次世界大戦までなく、現在も旅館が3軒あるだけで、住民登録をしている人もいないため、法律上は『無人島』です。
その景色・様子がまるでジブリアニメの『天空の城ラピュタ』の空飛ぶ島に似ていることから、近年注目を浴びています。
無人島でラピュタのようと聞くとドキドキする方も多いのではないでしょうか。
ではそんな友ヶ島にはどのようにして行くことが出来るのでしょうか。
和歌山県加太の加太港に観光船乗り場があり、そこから友ヶ島まで、午前九時から午後四時までの間に1時間に1本定期船が出ています。定期船に乗りおよそ30分で友ヶ島の野奈浦桟橋の船着場に到着します。
大阪を拠点として出発すると、南海電車で加太駅まで行き、そこから船乗り場まで歩いたとしてもおおよそ2時間ちょっとで行くことが出来ます。
船着場に到着してからが、友ヶ島の探検がスタートします。ラピュタの主人公、パズーとシータになった気持ちで島を巡ると楽しさが倍増しますよ。
友ヶ島には大戦中の施設も多く残されており、6か所の砲台の他、灯台・紀伊防備隊の海軍聴音所・弾薬庫・軍馬舎・将校官舎・厠などもあり当時の面影を残しています。島の歩道もすべて軍用道路であったため、舗装がされていないのでより雰囲気が出て、探検気分を味わうことが出来ます。
桟橋を西に歩くと、島に3軒の旅館、友ヶ荘・海の家・富士屋が姿を現します。どこもそれぞれの良さがある旅館ですが、中でも木の香りに包まれたロッジ風の旅館、海の家はマリンスポーツやBBQが出来るためおすすめです。友ヶ島は日帰りも出来ますが、できれば宿泊して静かで少し不思議な無人島の夜を楽しんで欲しいです。
宿泊する場合は早めの予約が必要です。3軒しか旅館がなくそれぞれ部屋数も少ないからです。無人島とはいっても、観光で訪れる方はたくさんいるのですね。
友ヶ島には6つの砲台がありますが、中でも一番保存状態が美しいのが第3砲台です。
第3砲台に行くには、海岸沿いからコウの巣山の展望台に向かって登って行く山道があり、そこを進んでいきます。落ち葉が一面に広がっており、歩くと土の感触が足裏から伝わってきます。普段都会のアスファルトしか歩いていない方にとっては新鮮な感触を味わうことが出来ます。それも友ヶ島の探検の醍醐味です。
第3砲台には、レンガ造りの砲台、将校管宿舎、発電所、トンネルなどがあり島の中で一番空飛ぶ島、ラピュタを思わせるスポットとなっています。