photo by ikyu.com
黒川温泉はミシュラン・グリーンガイド・ジャポンに掲載されるなど、その人気故に良質な宿が多数集まり、すでにお馴染みの温泉地になっています。
その中心地から少し離れた田の原川の下流。旧小国街道と国道442号線、そして田の原川が触れあうばかりに迫り、大きくうねる渓谷に「黒川温泉 旅館 山河」が設けられています。
photo by ikyu.com
木々に埋もれたアプローチからは小規模なお宿かと思ってしまいそうですが、3,000坪という広大な敷地に宿泊施設と7つの浴場が点在する大きな施設です。
photo by ikyu.com
「日本秘湯を守る会」の提灯と、玄関脇の草木が漉き込まれた和紙製のランプシェードが宿のアイコンになっています。
photo by ikyu.com
館内は古民家風を基本としながら仄かにモダンさを漂わせています。
玄関から入って左手には薪ストーブと囲炉裏のロビーが、右手のフロント横にはミニバーがあります。好みの飲み物と共に、薪や炭の暖かい輝きを眺めるのも良いでしょう。その他2階には談話室兼図書室も備わっています。
photo by ikyu.com
宿泊施設は母屋、西棟、東棟の3棟に14部屋、これに離れの2室が加わります。今回は東棟横に設けられた離れで、最も広い和洋室の「ねむの木」をご紹介しましょう。
photo by ikyu.com
宿の中でも一段高い土地にあり、お部屋の前にはウッドテラスの月見台も設けられています。階段を上がり玄関に入ると豪農のお屋敷の様な長い廊下に目を奪われます。
photo by ikyu.com
古民家を思わせる素朴な数寄屋造りのお座敷、落ち着いた色合いと照明でモダンさを演出したベッドルーム。先ほどの廊下の外は広いウッドテラスで、深い緑に囲まれた風景画の様な世界がひろがり、眼下には轟々と流れる田ノ原川が流れています。
photo by ikyu.com
そしてなんと言っても嬉しいのは、テラスに設けられた檜の露天風呂でしょう。開放感と木肌の優しい湯船は大きさも十分で、ゆったりと名湯を味わえます。驚くのは、この露天風呂に加えて、大きさもさほど変わらない半露天風呂と言える石造りの内湯まで設けられているところです。
photo by ikyu.com
長い廊下に、広いお座敷、モダンなベッドルーム、そして広いウッドデッキに2据えの湯船。これだけですでに1軒のお宿として成立していると思える豪華さです。
しかし、この宿でお部屋のお風呂にゆっくり浸かる時間は少ないかも知れません。
敷地内には、混浴露天の「もやいの湯」、女性用露天の「四季の湯」、男女別内風呂「薬師の湯」、3つの家族風呂に足湯もあります。泉質が異なる2つの自家源泉を持つ宿ならではでしょう。全てをゆったり楽しもうとすれば時間が足りなく感じてしまいます。
photo by ikyu.com
温泉の成分が混じっているのでしょう、鈍色の小川が流れる野趣あふれる庭を散策しながら、これらの浴場を巡ることができます。「もやいの湯」に向かう途中には、猟師が本当に使っていそうな囲炉裏小屋が設けられています。周囲には炭の焼ける香りが漂い、その趣が一層深まります。
photo by ikyu.com
この宿の名物お風呂は「もやいの湯」です。森林の抱擁感と適度な開放感、荒々しい岩風呂の風情に、打たせ湯の板葺き屋根の東屋も設けられ秘湯の雰囲気が満載です。何より仄青くそれでいて乳白色の湯質が素晴らしい浴場です。
photo by ikyu.com
混浴は苦手な方も、お隣の女性専用である「四季の湯」は、ほぼ同じ造りですので同じ雰囲気は充分楽しめます。
photo by ikyu.com
男女別の内湯は東棟にあります。男湯は岩風呂、女湯は檜風呂で、採光を減らし、落とした照明で古い湯治場を思わせる趣のある浴場です。
photo by ikyu.com
家族風呂の一番人気は「六尺桶風呂」だそうです。宿の東端、小高い場所に設けられ、田ノ原川の川音と展望が楽しめる広い半露天風呂です。チェックインの際に予約を忘れない様にしましょう。
photo by ikyu.com
夕食はお食事処「木々の集い」で頂きます。
沢蟹の素揚げなど地場の食材を活かした前菜に続き、名物の馬刺しや湯葉の入った刺身、あか牛、山女の塩焼きなど嬉しい品々が会席風にアレンジされて饗されます。
photo by ikyu.com
朝食は、野菜ジュースから始まり、定番の品々に加え、この日はせいろ蒸しのお野菜が彩りを添えていました。特に嬉しかったのは竹べらに盛られて炙られた焼き味噌です。ご飯のお供に食が進む逸品です。阿蘇のジャージー牛乳がおいしかった事も書き添えておきます。
photo by ikyu.com
「山河」は緑豊かな広い敷地に、お風呂や離れ、施設が点在し、宿の中だけで湯めぐりをしているような楽しさを味わえます。
田舎風温泉宿をイメージさせながら、ラグジュアリーさも漂い、それでいて一人客へのサービスにも腐心しているなど、格式張らないホスピタリティにも定評があります。特に女性に人気が高いという評価も頷ける魅力的なお宿です。
黒川温泉 旅館 山河の宿泊予約・口コミ・詳細情報はこちら
<宿の基本情報>
黒川温泉 旅館 山河 (熊本県/黒川温泉) [全16室]
所在地:〒869-2402 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6961-1
アクセス:黒川温泉、南小国町役場前、杖立の各バス停より無料送迎あり
参考料金:1泊2名 夕朝食付 32,400円~ ※2017/1 時点
記事提供・協力:一休.com