スマハン・オン・ザ・ウォーター Sumahan on the Water
トルコという国を、またはイスタンブールという街を、ヨーロッパとアジアに2分しているボスポラス海峡。ドルマバフチェ宮殿などの華麗な建築物が建ち並ぶヨーロッパ側のベシクタシュあたりまでは、いつも多くの観光客で賑わっています。しかしその先にあるポスポラス大橋付近ともなると、訪れる人の数は少しずつ減って行き、地元感漂う少しのんびりとした雰囲気になっていきます。ボスポラス大橋よりもさらに先、アジア側のチェンゲルキョイというエリアに、密かな人気を誇る隠れ家的ホテルが1軒あります。
そのホテルの名は「スマハン・オン・ザ・ウォーター」。その名の通りまるでボスポラス海峡の浮島にできたような、水辺のホテルです。オスマン帝国後期の19世紀、この建物はトルコの地酒ラクの原料になるスマというお酒の蒸留所としての役割を果たしていました。廃業になったこの蒸留所を、建築家でもあったトルコ系アメリカ人のオーナーが隠れ家的ホテルへとリノベーションしたのです。ボスポラス海峡沿いの建物で、元の持ち主により今も管理されているケースは大変珍しいそうです。
とっても小さなホテルで、客室数はたったの20室。「人気が出て予約が取れなくなると困るので、なるべく他の人に教えたくない」というファンの気持ちがわかるような気がします。
豪華というよりもどこか北欧のテイストを感じさせるシンプルでスタイリッシュなホテルのロビー。寒い時期には暖炉に火が入れられ、より一層あたたかい雰囲気を醸し出しています。
客室も決して広くはありませんが、同じくスタイリッシュなインテリアでまとめられています。こちらは「デラックス・ルーム」。白に黒い縁取りが施された壁に、ベッドの真紅が映える素敵な空間です。窓からはボスプラス海峡がすぐ目の前。ほとんどの部屋に暖炉がついています。広さは約16㎡。
こちらは「エグゼクティブ・スイート」で、広さは約200㎡。ソファやデスク、DVDプレイヤー、薄型テレビ、ミニバーが備わっています。部屋の中央には大きな暖炉が。壁一面に付けられた窓からの眺望も大変贅沢なものです。
「エグゼクティブ・スイート」のベッド・スペース。印象的な黒い梁天井と清潔感溢れるシンプルなベッドが心地良い空間です。横の窓からは、もちろんボスプラス海峡が。快適な空気感が伝わってくる日当たりの良いお部屋です。
お部屋にはそれぞれシャワー・ルームかバス・ルームがついています。こちらはモダンというよりもどこかトルコ風。白い大理石が使用されています。
このホテルには1つのレストランと1つのカフェが併設されています。開け放たれたテラスからの風が心地よいTapasuma Restaurant(タパスマ・レストラン)。地元のトルコ料理と地中海料理のメッゼ(オードブル)を楽しむことができます。
ビュッフェ形式のメッゼ。日本人の口にも合う、野菜や魚をたくさん利用したおいしいメニューが揃っています。
こじんまりとしたホテルですが、トルコの伝統的入浴施設ハマムもちゃんと用意されています。
ホテルには、ジムやサウナなども併設されていますが、一日中テラスに座って、ボスポラス海峡を行き交う大型船やフェリーを眺めているのも良いかもしれません。決して見飽きることはないでしょう。
イスタンブールの中心地から少し離れているため、観光には不便なのではと心配になるかもしれません。ホテルには市街地へ向かうプライベート・ボートが用意されているので安心です。ヨーロッパ側まで約20分のクルーズ。確かに少し時間はかかるかもしれませんが、それも楽しみの1つ。実質的にはボスプラス海峡クルーズをただで楽しめてしまうことになります。
市街での活気に満ちた観光を終えたら、夕日が輝くボスプラス海峡を渡って、またホテルへ。心が落ち着いていくのを感じます。
アクティブに楽しむというよりも、穏やかな大人の時間を過ごしたい方のための「スマハン・オン・ザ・ウォーター」。まさに隠れ家的な、ボスプラス海峡に浮かぶ小さなホテルです。
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