あの世とこの世が交差する場所「青森の恐山」

恐山

恐山 景色photo by www.aptinet.jp

恐山は青森県の下北半島にある比叡山・高野山と共に日本三大霊場の一つです。貞観4年に慈覚大師によって開山され、天台宗の修練道場として栄えました。
開山のきっかけは慈覚大師が唐に修行に行った際に、夢枕に立った高僧のお告げからだったそうです。お告げの通り険しい道のりをひたすら歩き続け、行きついた先がこの恐山でした。むき出しの岩肌、あちこちにある硫気孔から立ち上る蒸気、深く澄み渡る宇曽利山湖、その光景は慈覚大師には地獄とも極楽とも思えたのでしょう。
亡くなってしまった両親や親しかった友人に会いたい気持ちが、下北半島に伝わる「人は死ねば恐山さ行ぐ」という地蔵信仰の思想と重なり、死者の供養の場所として広く全国に知られています。

 
恐山 三途の川photo by www.aptinet.jp

恐山に行く手前の入り口には霊界(あの世)と俗界(この世)との境と言われる三途の川があります。三途の川には太鼓橋と呼ばれる朱色の橋が架かっていますが、この橋は、「罪人は渡ることが出来ない」と言われています。

 
恐山 菩提寺photo by www.aptinet.jp

慈覚大師が開山したお寺が恐山菩提寺です。恐山霊場は、お寺の境内の中になるので、まずは山門をくぐり、入山することになります。

 
恐山 温泉 薬湯photo by simokita.org

恐山には4つの湯小屋があります。男性用、女性用、混浴、社務所用です。入山すると温泉は無料で入浴することが出来ます。境内に沸くこの霊泉は、切り傷・神経痛・胃腸病・眼病などに効くそうで、極楽浄土での癒しを思わせます。

 
恐山 お地蔵様photo by www.aptinet.jp

恐山の境内の中や、その入り口に向かう途中にはあちらこちらにお地蔵さんがたっています。お地蔵様の地の字は大地を、蔵の字は生命を育む母胎を表すと言われています。地のごとく人を支え、母のように愛し慈しむお地蔵様。そんなお地蔵様が恐山を見守ってくれているのでしょう。

 

おすすめの記事