遺跡をリノベーションしたユニークで上質な洞窟ホテル「アルゴス・イン・カッパドキア」

アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadocia

カッパドキアの鳩小屋
photo by argosincappadocia.com

トルコ、カッパドキアにある「ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群」は1985年にユネスコの世界遺産に登録されました。多種多様な奇岩が立ち並ぶ様はまさに自然が作り出した奇跡の光景です。ただ忘れてならないのが、ここが世界遺産の中でも数少ない「複合世界遺産」だということ。つまり自然の素晴らしい景色だけでなく、人が作り出した文化遺産も合わせて評価されての認定だということです。人が作りだした普遍的な価値を持つものとして認められたのは、岩を掘り抜いて作られた住居やトンネル、教会、地下都市などでした。

 
アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadociaの外観
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そんなカッパドキアの文化遺産という側面に身近に触れることができるのが、ウチヒサールにあるホテル「アルゴス・イン・カッパドキア」です。カッパドキアの観光拠点の1つであるウチヒサールは、カッパドキア一帯の中でも高所にある街。その眺めの良さゆえに、数多くの高級洞窟ホテルがこの街には存在しますが、この「アルゴス・イン・カッパドキア」はそれらのホテルとは一味違った、ユニークな洞窟ホテルなのです。

 
アルゴス・イン・カッパドキア全景
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もともとオーナーはこの地にごく普通のタイプの洞窟ホテルを建てようと計画していたとか。ところが建設予定地から、やわらかい岩に掘り込まれた中世の教会や地下トンネルなど、考古学的な価値を持つ遺跡が発見されたのです。すぐさま建設計画は変更され、考古学者や石工、デザイナーたちにより遺跡の発掘・修復作業が始まりました。そして2010年、考古学的な価値を損なうことがないようにデザインされた、ユニークな洞窟ホテルとしてオープンしたのです。

 
アルゴス・イン・カッパドキアの通路
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ホテルというよりも、まるで中世の村にでも紛れ込んでしまったような印象を与えるこのホテル。独立した複数の石造りの客室で構成されています。街の風景にもしっくり溶け込んでしまっているので、どこからどこまでがホテルの建物なのか、わからなくなってしまうほどです。キャッチフレーズは「受付カウンターのある古代集落」だとか。

 
アルゴス・イン・カッパドキアのレセプション
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こちらがその受付カウンター、ホテルのレセプションになります。やさしい色合いの石造りの壁と、それにマッチしたトルコの伝統的で素朴なインテリアで飾られた、すっきりとした印象の空間です。石の壁にありがちな冷たさや閉塞感は全く無く、むしろ普通のホテルのレセプションよりも開放的で温かな印象さえ感じます。ホテルのお部屋はスタンダード、デラックス、スイートなど、全部で51室用意されています。

 
アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadociaの客室
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どのお部屋も控えめながらもこだわりのある上質なしつらえになっています。こちらは「デラックス」タイプ、その中でも数に限りがある「洞窟ルーム」のお部屋です。壁を見ると、岩を掘り抜いて作られた洞窟住居の特徴がよくわかります。洞窟ルームは修道院のような、シンプルで禁欲的な雰囲気のあるお部屋になっています。お部屋には基本的にテレビが置いてないので、静寂な時間を楽しむことができます。広さは35平方メートルあります。

 
アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadociaの客室
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こちらは独立したリビングエリアがついた「スイート」タイプの一室。パチパチと暖炉の火がはぜる音まで聞こえてきそうな、なんとも温かみと安らぎを感じさせるお部屋です。観光で疲れて帰って来た時に、こんなお部屋が用意されていたらうれしいですね。素朴なテイストのアンティーク家具も部屋に趣を添えています。バルコニーやテラスがついたお部屋もあるので、美しいカッパドキアの景色をのんびり楽しむのもおすすめ。この写真のお部屋の広さは50平方メートル。最大4人で泊まることができます。

 
アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadociaのスイート
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「スプレンディド・スイート」はこのホテルの中では少し贅沢な造りのお部屋です。ベッドルームから石造りの階段を降りていくとそこにはなんとプライベートプールが。観光に出かけるよりも、部屋でゆっくり過ごしたい方におすすめのお部屋です。でも時には、専用のパティオやバルコニーから、手入れの行き届いたホテルの中庭や、ウチヒサールの雄大な景色を楽しんでみるのもいいですね。

 
アルゴス・イン・カッパドキアのバスルーム
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古いものを大事にしながらも、必要ならば現代的な要素を取り入れることも厭わない、そんな柔軟な側面もこのホテルは持っています。それがよく表れているのが、お部屋に備え付けのシャワールームやバスルーム。洞窟の中にモダンな設備が違和感なく取り入れられています。快適なホテル滞在には欠かせないポイントはきっちり押さえています。

 
アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadociaのレストラン
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食事にもこだわりがあります。ホテルに併設されているSEKI Restaurant(セキ・レストラン)では、地元の新鮮な食材をふんだんに使用した料理を楽しむことができます。素敵なインテリアを楽しめる室内の席、カッパドキアの絶景が見られるテラス席、その日の気分で選んでみては。思わず長居をしてしまう、とても評判の良いレストランです。このレストラン自慢のカッパドキアワインを注文するのもお忘れなく。

 
アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadociaのワインセラー
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カッパドキアの土壌はブドウの栽培に適しているため、ワイン造りも盛んでした。巨大な地下都市跡にもワインセラーが見つかるなど、何世紀も前からワイン造りが行われてきた歴史があります。温度が一定に保たれる洞窟はワインの保存にはうってつけだとか。歴史有るこのレストランの地下ワイナリーにも、ご覧のようにワインボトルがずらりと並んでいます。ワインの試飲やトルコワインについてのレクチャーを受けることができますので、ぜひワイナリーまで足を運んで見てください。

 
アルゴス・イン・カッパドキアの地下トンネル
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ホテルの中にはこんな場所も。別の建物へとつながっている5kmにも及ぶ地下トンネルです。迫害と侵略を生き延びるために、かつてキリスト教徒たちは洞窟に住み、地下トンネルを張り巡らせ、それはやがて地下都市へと発展していきました。そんな歴史的建造物の一例を目の当たりにすることができます。考古学的にも価値のある「遺跡」に泊まっていることを実感させられます。

 
アルゴス・イン・カッパドキアのチャペル
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かつてシルクロードのキャラバン隊が泊まった宿泊施設や教会も修復され、今ではコンサートや結婚式などのイベントが行われるスペースとして使用されています。天窓の美しい装飾は、チャペルの名残りでしょうか。まさに文化遺産としてのカッパドキアの魅力が詰まったホテルです。このホテルに泊まること自体が、忘れられない文化体験になりそうです。

 
アルゴス・イン・カッパドキア Argos In Cappadociaの眺め
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古代遺跡を見事にリノベーションしたユニークなホテル「アルゴス・イン・カッパドキア」。リゾート型のホテルとはまた違った、控えめながらも上質な時間を楽しめます。毎年のようにホテル業界の権威ある賞を受賞していることもそのクオリティーの証し。カッパドキア滞在の際の選択肢の1つにしてみはいかがですか?

 

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