イメージ写真 Photo by (c)Tomo.Yun
Contents
「日光の社寺」について
「日光の社寺」は、栃木県日光市にあり、日光山内、二社一寺とも称される、日光東照宮・日光二荒山神社、日光山輪王寺のことを言います。
ちなみに、日光二荒山神社は、別宮本宮神社、別宮滝尾神社を含み、日光山輪王寺は、大猷院霊廟を含みます。
「日光の社寺」のうち、全体として国宝9棟、重要文化財94棟の計103棟ある「建造物群」と、これらを取り巻いている文化的景観である「遺跡」が世界遺産として1999年に登録されました。
日本全国の東照宮の総本社的存在である「日光東照宮」は、1616年に徳川初代将軍である家康の霊廟である東照宮が造営されて以降は、徳川幕府の聖地となり、その後、1636年の大規模な改築によって現在のものになりました。
また、1653年に徳川3代将軍である家光の霊廟「大猷院」が造営され、日光は、8世紀以来、男体山を中心とする山岳信仰の聖地として山麓や中禅寺湖畔で社寺が営まれていました。
「日光東照宮」の造営された男体山の東のふもとに、「輪王寺」と「二荒山神社」があり、徳川幕府が造営したこれらの建造物には、人物・動物・植物などの彫刻がほどこされ、漆塗や彩色、飾り金具などによって華やかに装飾されています。
具体的な物件 二荒山神社、東照宮、輪王寺
所在地 栃木県日光市
推薦年月 平成10年
記載年月 平成11年12月
区分 文化遺産
「日光の社寺」の特徴・おすすめスポット その1:日光東照宮(陽明門)
「日光東照宮」の「陽明門」は、特に知名度が高く、門全体が、まるで芸術品のように美しく繊細な彫刻で覆われています。
この「陽明門」は、一日中観ていても飽きないということから、「日暮御門」との別名もあります。
そのなかでも、「陽明門」で注目すべきスポットが「魔除けの逆柱」です。
「陽明門」は、白い12本の柱で支えられ、いずれの柱にも渦巻き模様の「グリ紋」が彫刻されていますが、このうち内側の右から2番目の1本だけ渦模様が逆になっているものがあります。
この柱が「魔除けの逆柱」と呼ばれています。
というのも、当時、「建物は完成と同時に崩壊が始まる」との言い伝えがあったため、1本の柱だけをあえて模様の上下を逆にし、未完成の状態にすることで災厄を免れ、魔除けにしたと言われています。
「日光の社寺」の特徴・おすすめスポット その2:日光東照宮(唐門)
「日光東照宮」の「唐門」は、最も重要な役割を果たしているもので、本寺の正門です。
この「唐門」全体には、「胡粉(ごふん)」という貝殻から作る白い顔料が塗られ、金箔がほどこされています。
さらに、門には竜や中国の聖人賢者などが彫刻され、門全体から荘厳な美しさが感じられます。
「日光の社寺」の特徴・おすすめスポット その3:日光東照宮(廻廊)
「廻廊」は、「陽明門」の左右に伸び、本社・祈祷殿・神楽殿を取り囲む建造物で、色とりどりの華やかな彫刻が見どころです。
特に、鳥の彫刻は、一枚板に透かし彫りで作られ、その規模も国内最大級です。
「日光の社寺」の特徴・おすすめスポット その4:東照宮の動物たち
「日光東照宮」には、平和を象徴すると言われる、数々の動物の木彫像があります。
猿
「日光東照宮」の特徴は、動物をモチーフにしている彫刻が多いことですが、そのなかでも、「見ざる・言わざる・聞かざる」として知られている三猿の彫刻があります。
この三猿は、昔から猿が馬を守るといわれていることから、神様の乗り物である「神馬」をつなぐ厩「神厩舎」に彫られています。
この三猿のほかにも、人間の一生を風刺していると言われている8枚の猿の彫刻があります。
馬
今でも「日光東照宮」の「神厩舎」には「神馬」が飼われ、その姿を見ることができます。
ちなみに、「日光東照宮」の「神馬」は、雄の白馬に限定されており、初代の「神馬」は、徳川家康が関ヶ原の戦いで実際に乗った馬であると言われています。
猫
東廻廊の奥社参道入口には、「左甚五郎」が創作したと言われる「眠り猫」の彫刻があります。
この猫は、よく見ると踏ん張っていることから、家康を護るために寝ていると見せかけて、いつでも飛びかかれる姿勢をしていると伝えられています。
雀
先の「眠り猫」の裏には、2羽の雀が楽しそうにしている様子の彫刻があります。
この彫刻は、「眠り猫」の裏面になることから、「雀が舞っていても猫が寝るほどの平和」が表現されていると言われています。
象
表門をくぐってすぐにある「三神庫」のうちの「上神庫」側面の上部には、「象」の彫刻があります。
狩野探幽が想像して下絵を描いたことから、「想像の象」と呼ばれています。
よく見ると、実際の象とは、耳の形や尻尾が違う形をしています。
三神庫は、日光東照宮の重要文化財で、それぞれ、上神庫・下神庫・中神庫と呼ばれ、このうちの上神庫に想像の象が彫られています。
狩野探幽は、江戸時代初期の狩野派の絵師で、桃山時代を引き継ぎながら、宋元画や雪舟に学び、線の太さや墨の濃淡を使い分け、画面地の余白を生かす淡麗瀟洒な画風である江戸時代の絵画の基調を作ったと言われています。
「日光の社寺」の特徴・おすすめスポット その5:二荒山神社(神輿舎)
「神輿舎」は、「神苑」の中にあり、江戸時代初期に建造され、日光の社寺の中でも一番古い建物と言われています。
この「神輿舎」は、東照宮や輪王寺以前に作られたものであることから、白木で作れているそうです。
なお、「神輿舎」のなかには、黄金に輝く御神輿が納めれています。
「日光の社寺」の特徴・おすすめスポット その6:輪王寺(三仏堂)
「三仏堂」は、江戸川幕府の3代目将軍である徳川家光によって再建されたものです。
この「三仏堂」には、千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音の三体の仏像が本尊に納められていることから、このように呼ばれています。
日光の社寺は、明治時代以前には神と仏の信仰が一体化した場所だったため、日光山内の仏像は神様を指し示すもので、崇める対象は神の御霊の依り代である森羅万象に生ける物と言われています。
なお、「三仏堂」内は、撮影が禁止となっていますので、観光の際にはご注意ください。
観光課や公式サイトからの情報まとめ (動画など)
法隆寺 公式サイト
http://www.toshogu.jp/
とちぎ旅ネット
https://www.tochigiji.or.jp/spot/1002/
アクセス方法
住所:栃木県日光市山内2301
「日光の社寺」へのアクセスは、下記の通りです。
電車でのアクセス
1)浅草~東武日光(特急けごん):所要時間/約1時間50分
2)浅草~下今市~東武日光(特急きぬ+各駅停車):所要時間/約1時間50分
3)浅草~東武日光(東武鉄道快速):所要時間/約2時間5分
4)新宿~東武日光(JR特急日光):所要時間/約2時間
5)宇都宮~日光(JR日光線):所要時間/約45分
なお、最寄り空港は、羽田空港、福島空港、茨城空港で、下記のアクセスがおすすめです。
1)羽田空港~浅草駅(京急空港線)+東武日光線(特急けごん):所要時間/約2時間35分
2)羽田空港~品川駅(京急空港線)~東京駅(JR京浜東北線)~宇都宮駅(JR日光線)~日光駅(徒歩3分)~東武日光駅:所有時間/約2時間3分
3)羽田空港(リムジンバス)~宇都宮駅(JR日光線)~日光駅(徒歩3分)~東武日光駅:所有時間/約3時間18分
4)福島空港(リムジンバス)~郡山駅(JR東北新幹線)~宇都宮駅(JR日光線)~日光駅(徒歩3分)~東武日光駅:所有時間/約2時間8分
5)茨城空港(リムジンバス)~水戸駅(JR水戸線)~小山(JR宇都宮線)~宇都宮駅(JR日光線)~日光駅(徒歩3分)~東武日光駅:所有時間/約3時間18分
6)茨城空港(リムジンバス)~水戸駅(高速バス)~宇都宮駅(JR日光線)~日光駅(徒歩3分)~東武日光駅:所有時間/約3時間18分
車でのアクセス
東北自動車道宇都宮ICから日光宇都宮道路を経て、日光ICで下り、日光ICから2kmです。
まとめ
いかがでしたか。
「日光の社寺」は、江戸幕府の初代将軍である徳川家康を神格化した東照大権現が主祭神として祀られています。
また、「日光東照宮」は、人物・動物・植物のなどの彫刻が多く用いられ、漆塗りや飾り金具などもきらびやかに装飾されており、見どころが多くあります。
世界遺産にも登録された「日光の社寺」をまだ訪れたことがない方は、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。