日本の世界遺産特集(4)「姫路城(兵庫県)」

「姫路城」について

「姫路城」は、兵庫県姫路市にある江戸時代初期に建てられた城です。この城は、白鷺が羽根を広げた優美な姿に似ていることなどから、「白鷺城」(はくろじょう・しらさぎじょう)とも呼ばれています。

城の天守や櫓(やぐら)等の主要建築物が現存していることから、国宝や重要文化財に指定、主郭部などの中堀の内側が「姫路城跡」として国の特別史跡に指定されました。

その後も、1993年に、世界遺産としてリストに登録されたほか、「日本100名城」などにも選定されています。

16世紀中頃に、木造の建物・石像の城壁・白色の土塀の日本独特城郭様式が確立され、日本の城の中でも、特にこの「姫路城」は、城郭建築の最盛期の遺産であると言えるでしょう。

現存している「姫路城」は、1600年に城主となり、徳川家康の次女「督姫(とくひめ)」を妻とした大名「池田 輝政」が、その翌年から1609年にかけて新たに建造したもので、周囲には内外二重の濠が巡らされています。

内郭地域は、内濠と高い石垣に囲まれ、城柵の主要部と城主の居館が造営されています。

また、内濠と外濠の間の外郭地域には武家屋敷があり、その外に一般民衆の住居や商業地であった城下町などがあり、その周囲も濠で囲まれています。

内郭地域の城郭建築は、当時のまま、ほぼ完全な状態で残っており、外郭地域とあわせて保存・整備が進められています。

記載物件名 姫路城
具体的な物件 姫路城
所在地 兵庫県姫地蔵
推薦年月 平成4年
記載年月 平成5年12月
区分 文化遺産

「姫路城」の特徴・おすすめスポット その1:大天守・小天守

「姫路城」の「大天守」

「姫路城」の「大天守」は、姫路城のシンボルでもあり、国宝に指定されています。

この「大天守」は、千鳥破風・大千鳥破風・唐破風という形式を組み合わせて建造されています。

5重の作りで、内部は地下1階から地上6階で構成され、最上階の大棟両端には、「阿吽(あうん)」で一対になる「大鯱瓦(おおしゃちがわら)」が設置されています。

キーワードチェック:破風
破風は、切妻造や入母屋造の屋根の妻側に用いられる造形のことです。キーワードチェック:千鳥破風
屋根の斜面に設けられた小さな三角形の破風で、狐格子がはめ込まれ、装飾や通気用に用いられます。キーワードチェック:唐破風
破風の一種で、曲線状にそり曲がった形状をし、玄関・門・神社の屋根などの装飾用に使用されます。

「姫路城」の「小天守」

「姫路城」の「小天守」は、全部で3棟「西小天守」「東小天守」「乾小天守」があり、こちらも国宝に指定されています。

「乾小天守」が最も高い3重の建物で、1重の両面に軒唐破風、3重の南面と西面に黒漆塗り・錺金具打ちの火灯窓が2所ずつ設けられ、西面を中心に意匠が凝らされています。

「姫路城」の特徴・おすすめスポット その2:菱の門

「姫路城」の「菱の門」は、姫路城内で最も大きな門で、数少ない安土桃山時代の様式が残されている遺構です。

この「菱の門」は、櫓門(やぐらもん)と呼ばれる形式の門で、木彫りの菱の門が柱の上に彫られていることが特徴で、名前に由来しています。

「姫路城」の特徴・おすすめスポット その3:扇の勾配

「姫路城」の「扇の勾配」は城の石垣のことで、上に行くほど、そり返った造りで敵が石垣を登ってこられないようになっています。

横から見ると、扇のような曲線をしているため、このように呼ばれています。

「姫路城」には、随所に戦による被害を最小限にするための工夫がほどこされており、この「扇の勾配」もその1つです。

戦国時代からある「姫路城」は、戦にまみえることのなかった珍しい城で、この「扇の勾配」と呼ばれる石垣も、城を防衛するためとは思えないほどの美しい曲線を描いています。

「姫路城」の特徴・おすすめスポット その4:化粧櫓(けしょうやぐら)

「姫路城」の「化粧櫓」は、「化粧の間」とも呼ばれ、「徳川秀忠」と「江(崇源院)」の長女として生まれた「千姫」が、西の丸長局(百間廊下)から男山を拝んだ後に、休息所として使用していたと言われています。

この「化粧櫓」の造りは二重二階で、内部には畳敷きのお座敷が3室あり、床の間が設置された奥御殿となっています。

現在は、「化粧櫓」には、かるたで遊んでいる人形が置かれています。

キーワードチェック:男山
男山は、険しい男性的な山のことで、姫路城の近くにあります。このほか、日本の山のでは京都府の別名「鳩ヶ峰」が男山として知られています。

「姫路城」の特徴・おすすめスポット その5:お菊の井戸

「姫路城」の「お菊の井戸」は、怪談話「播州皿屋敷」にお化けとして登場する「お菊」にまつわると伝えられています。

この怪談話は、女中として使えていた「お菊」が、家の主人から家宝のお皿を割ったのではないかと言いがかりをつけられ、責め殺されて井戸に投げ込まれたという内容です。

「姫路城」の井戸は、「お菊」が投げ込まれたと言い伝えられており、「お菊」が投げ込まれるまでは、「釣瓶取(つるべとり)井戸」と呼ばれていました。

「姫路城」の特徴・おすすめスポット その6:西の丸長局

「姫路城」の「西の丸長局」は、長さは約240mにわたる長い渡り櫓で、昔の測り方で約121間であることから、「百間廊下」とも呼ばれています。

この「西の丸長局」は、主室と付属室など区分された構造で、侍女たちが生活していた場所でもあります。

この廊下から毎朝、本多忠刻の正室である「千姫」は、姫路城西方にある「男山」を拝んでいたと伝えられています。

なお、「西の丸」は、一般公開されていませんが、不定期で公開されることがあります。

観光課や公式サイトからの情報まとめ (動画など)

姫路城 公式サイト
https://www.city.himeji.lg.jp/castle/index.html

姫路観光ナビ ひめのみち
https://www.himeji-kanko.jp/

アクセス方法

住所:兵庫県姫路市本町68

「姫路城」へのアクセスは、下記の通りです。

電車・バスでのアクセス

1)東京方面から
A.伊丹空港(電車)~姫路駅(バス)(約2時間35分)
B.伊丹空港(バス)~姫路駅(バス)(約2時間28分)
C.東京(新幹線・電車)~姫路駅(バス)(約3時間7分)
D.東京(高速バス)~姫路駅(バス)(約9時間33分)

2)大阪方面から
大阪(新幹線・電車)~姫路駅(バス)(約32分)

3)愛知(名古屋)方面から
愛知(新幹線・電車)~姫路駅(バス)(約1時間25分)

4)福岡方面から
A.伊丹空港(バス)~姫路駅(バス)(約2時間23分)
B.福岡(新幹線・電車)~姫路駅(バス)(約2時間12分)

なお、最寄り空港は、大阪府にある「伊丹空港」です。

車でのアクセス

1)東京方面から
東京(高速道路)~花田IC(一般道)(約7時間2分)

2)大阪方面から
大阪(高速道路)~花田IC(一般道)(約1時間51分)

3)愛知方面から
愛知(高速道路)~花田IC(一般道)(約4時間28分)

4)福岡方面から
福岡(高速道路)~山陽姫路西IC(一般道)(約6時間21分)

まとめ

いかがでしたか。

「姫路城」は、1609年(慶長14年)に建築された大天守をはじめ、美しい姿を残している姫路城は、国宝・重要文化財・国の特別史跡に指定されているだけでなく、世界中から観光客が訪れている人気スポットでもあります。

日本の城郭として初めて世界遺産に登録された「姫路城」をまだ訪れたことがない方は、ぜひ、一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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