イスタンブル地下宮殿 Basilica Cistern
1年中観光客で賑わうイスタンブール。その中でも「イスタンブル歴史地区」にあるブルーモスク、アヤソフィアを訪れない方はきっといないことでしょう。2つの壮麗な建築物に挟まれているスルタン・アフメット広場の向かい側に、ちょっと見落としてしまいそうな地味な建物があります。
トルコ語でYerebatan Sarnıcı(イェレバタン・サルヌジュ)と書かれた看板が掲げられています。西暦532年に建設された歴史的建造物のようですが、外観はただの小さな石造りの建物のように見えます。
小さな入り口から入っていくと、そこには地下へと誘う階段が。ひんやりとした空気感が漂う中、階段を降りていくと・・・
こんな幻想的な空間が広がっていました。
Yerebatan Sarnıcı(イェレバタン・サルヌジュ)とは「地下貯水池」のこと。ここは6世紀にビザンチン帝国皇帝ユスティアヌス1世が建設した、地下の貯水池だったのです。黒海に近い水源から水が運びこまれ、アヤソフィアやトプカプ宮殿などに供給されていました。今ではその壮麗な造りから「地下宮殿」と呼ばれるように。確かに立ち並ぶ円柱にオレンジ色のライトアップがされたこの空間は、夜の宮殿に紛れ込んでしまったような錯覚をあたえます。