日本の世界遺産特集(5)「古都京都の文化財(京都府・滋賀県)」

「古都京都の文化財」の特徴・おすすめスポット その6:醍醐寺

「古都京都の文化財」である「醍醐寺」は、874年に「空海」の孫弟子「聖宝理源大師」が「准胝観音」と「如意輪観音」を「小堂宇」に安置し、この付近を「醍醐山」と名付けたことから始まりました。

904年に醍醐山麓に五重塔を含む大伽藍「下醍醐」が創建され、1115年には14代目の座主「勝覚」が「三宝院」を建立しますが、「応仁の乱」などで五重塔以外は焼失し、1605年に「豊臣秀吉」が「醍醐の花見」のために再建しました。

この「醍醐寺」は、2つのエリア「下醍醐」と「上醍醐」に分かれています。

下醍醐

「醍醐寺」の「下醍醐」は、大伽藍が広がり、下記の6つのおすすめスポットがあります。

・西大門
「下醍醐」の「西大門」は、重要文化財に指定され、仁王像の祀られています。

・清瀧宮本殿・清瀧宮拝殿
「下醍醐」の「清瀧宮本殿・清瀧宮拝殿」は、「上醍醐」から分身を移された総鎮守が祀られています。

・金堂
「下醍醐」の「金堂」は、1600年に豊臣秀頼の時代に完成され、重要文化財に指定されている本尊薬師如来が安置されている「醍醐寺」の中心にあります。

・五重塔

「下醍醐」の「五重塔」は、現存している日本最古の空海像が置かれています。

・観音堂(旧大講堂)
「下醍醐」の「観音堂(旧大講堂)」は、1930年に「醍醐天皇」の一千年忌を記念した「山口玄洞」氏の寄進によって建てられ、西国十一番札所となっています。

・三宝院
「下醍醐」の「三宝院」は、「豊臣秀吉」によって「醍醐の花見」が開かれたことで知られています。

上醍醐

「醍醐寺」の「上醍醐」は、歩いて1時間ほどの山道で、かつては女人禁制だったため、「女人堂」が設置され、その山あいには、国宝や重要文化財に指定されている建造物が点々としています。

この「上醍醐」の見どころスポットは、下記の6つです。

・醍醐水
「上醍醐」の「醍醐水」は、醍醐寺発祥の地と言われ、聖宝「理源大師」が霊力によって発見したとされる霊水です。

・清瀧宮拝殿
「上醍醐」の「清瀧宮拝殿」は、国宝に指定され、醍醐寺の守護女神を祀るために室町時代に懸造りで創建されました。

・准胝堂跡
「上醍醐」の「准胝堂跡」は、876年に建立され、火災や落雷によって焼失された西国三十三所観音霊場第十一番札所とされています。

・薬師堂
「上醍醐」の「薬師堂」は、国宝に指定され、913年に醍醐天皇の御願堂として創建されました。

・如意輪堂
「上醍醐」の「如意輪堂」は、重要文化財に指定されており、876年に創建され、内部に如意輪観音・毘沙門天・吉祥天が祀られています。

・開山堂
「上醍醐」の「開山堂」は、重要文化財に指定されており、「御影堂」とも言われています。理源大師像・弘法大師像・醍醐寺第1代目の座主「観賢僧正像」が安置されています。

醍醐寺へのアクセス

住所:京都府京都市伏見区醍醐東大路町22

電車でのアクセス

  • JR京都駅から、JR東海道本線(琵琶湖線)または湖西線約5分で山科駅。
    京都市営地下鉄東西線に乗り換え、約10分の「醍醐駅」で下車。
  • 京都駅からJR奈良線・六地蔵駅、京阪六地蔵駅で地下鉄東西線に乗り換え、約5分の「醍醐駅」で下車。

バスでのアクセス:

  • 京都駅八条口から京都醍醐寺ラインホテル京阪前(京都醍醐寺ライン乗り場)
  • JR山科駅から京阪バス醍醐寺前
  • JR六地蔵駅から京阪バス醍醐寺前

車でのアクセス:

  • 名神高速「京都東」から約20分
  • 名神高速「京都南」から約30分
  • 阪神高速「山科」から約15分
  • 京滋バイパス「宇治東」から約25分

「古都京都の文化財」の特徴・おすすめスポット その7:仁和寺

「古都京都の文化財」の「仁和寺」は、886年より「光孝天皇」の発願で建設され、宇多天皇の888年に完成し、当時は「西山御願寺」と称されましたが、後に年号をとって「仁和寺」とされました。

ちなみに、宇多天皇は、897年に出家して法皇となり、この「仁和寺」の最初の住職として「御室」という僧坊に住んでいたことから「御室御所」と呼ばれています。

それ以来、皇族が住職を務める門跡寺院となりましたが、伽藍は応仁の乱で全焼、戦火を免れた阿弥陀三尊によって徳川幕府によって1646年に復興が完了しました。

なお、1863年に門跡寺院としての役目を終えましたが、今でも観光スポットとして人気があります。

この「仁和寺」の主な見どころは、下記の6つです。

仁王門

「仁和寺」の「仁王門」は、高さ18.7メートルで、1641年から1645年に建立された重厚な造りの門です。

五重塔

「仁和寺」の「五重塔」は、重要文化財に指定され、総高36.18メートルで各層の横幅に差が無いのが特徴です。

1644年に建立され、内部に大日如来、周りに四方仏が安置されています。

金堂

「仁和寺」の「金堂」は、国宝に指定され、現存する紫宸殿(御所内裏の正殿)としては最古で、宮殿建築を伝える建築物として非常に貴重なものです。

屋根瓦には、永遠の象徴である亀の上に黄安という仙人が乗った瓦があります。

御影堂

「仁和寺」の「御影堂」は、重要文化財に指定されており、清涼殿の面影を残し、弘法大師像、宇多法皇像などが安置されています。

観音堂

「仁和寺」の「観音堂」は、重要文化財に指定されており、通常は非公開です。

1641年から1645年に建立され、内部に千手観音菩薩・不動明王・降三世明王・二十八部衆が安置されています。

御殿

「仁和寺」の「御殿」は、「宇多天皇」が住んでいたとされ、旧御所の「常御殿」を移築して造られましたが、1887年に焼失、明治から大正時代に再建されました。

勅使門、宸殿、白書院、黒書院は登録文化財、本坊表門、遼廓亭、飛濤亭は重要文化財に指定されています。

なお、春には仁和寺桜会が行われていたほど御室桜が美しく、秋には紅葉で真っ赤に染まり、普段の「仁和寺」とは違う眺めを楽しむことができます。

仁和寺へのアクセス

住所:京都府京都市右京区御室大内33

電車でのアクセス

  • 京都駅(嵯峨野線)ー円町駅より市バス26番にて約10分
  • 京都駅(嵯峨野線)ー花園駅より徒歩15分またはタクシーにて約5分
  • 京都駅(京福電鉄)ー御室仁和寺駅より徒歩約3分

バスでのアクセス

  • 京都駅(JRバス高尾・京北線にて約30分)
  • 京都駅(市バス26番にて約40分)
  • 京阪三条駅(10番・59番にて約40分)
  • 阪急大宮駅(26番にて約30分)
  • 阪急西院駅(26番にて約25分)

車でのアクセス:

  • 京都南インターより約40分
  • 京都東インターより約40分

「古都京都の文化財」の特徴・おすすめスポット その8:平等院

平等院

「古都京都の文化財」の「平等院」は、10円玉の表面の背景にも描かれていることで知られていますが、紙幣や切手などにも採用され、日本を代表する文化財と言えるでしょう。

この「平等院」は、当時の関白だった「藤原頼道」によって1052年に「宇治殿」と呼ばれる藤原道長の別荘地に創建されました。

当時の日本には「末法思想」が広まっており、この年に仏法が廃れ、世の中が荒れると言われていました。

この「平等院」は、2012年から2014年に平成の大改修が行われ、2016年から拝観が再開されました。

そんな「平等院」の見どころは、下記の6つです。

鳳凰堂

「平等院」の「鳳凰堂」は、1053年に造られ、阿弥陀堂、御堂とも呼ばれており、江戸時代ころから、このように呼ばれるようになりました。

藤原氏の栄華を伝える唯一の遺構とも言われています。

堂内中央には定朝作の阿弥陀如来坐像や、九品来迎図や極楽浄土図、透かし彫りの天蓋などがあり、屋根の上の鳳凰はレプリカで、本物は「平等院ミュージアム鳳翔館」で保管されています。

観音堂

「平等院」の「観音堂」は、重要文化財に指定されており、中は非公開になっています。

平安後期に造られた本尊には十一面観音立像が安置されていましたが、現在、仏像は「平等院ミュージアム鳳翔館」に保管されています。

庭園

「平等院」の「庭園」は、1922年に国の史跡・名勝に指定され、「浄土式庭園」と呼ばれています。

周辺の阿字池は、極楽浄土にある宝池をあらわしており、阿弥陀堂が池を挟んだ西側に位置しているため、阿弥陀増を東岸から配するようになっています。

梵鐘

「平等院」の「梵鐘」は、国宝に指定され、「天下の三名鐘」の1つです。

ちなみに「音の三井寺、銘の神護寺、姿形の平等院」と言われており、「平等院」の梵鐘は、外観の美しさがたたえられています。

この「梵鐘」には、鳳凰・飛天・獅子・唐草などのデザインが浮き上がるように彫刻されており、切手のデザインにもなっています。

なお、外に置くと傷むため、現物は平等院ミュージアム鳳翔館にあり、複製品が設置されています。

南門

「平等院」の「南門」は、「北門」(表門)と同じ造りで、現在は改修されて創建当時の鮮やかな朱色が復元され、そばにある白壁との対比で鮮やかに見えます。

秋には、南門の奥にある深紅色の紅葉と南門の朱色が色鮮やかで、写真撮影にもオススメのスポットです。

扇の芝

「平等院」の「扇の芝」は、「源頼政」が平家軍に攻め込まれ、最後に自害した場所として知られています。

この際、「源頼政」が軍扇を広げながら「南無阿弥陀仏」と唱えて自害したことから、「扇の芝」と言われているそうです。

平等院へのアクセス

住所:京都府宇治市宇治蓮華116

電車でのアクセス

  • JR京都駅からJR奈良線に乗車、JR宇治駅下車
  • 大阪中之島、淀屋橋から京阪本線に乗車、中書島駅で京阪宇治線に乗り換え、宇治駅下車

車でのアクセス

  • 大阪方面から名神高速「大山崎」ジャンクションから京滋バイパスに入り「宇治西」インターから京滋バイパス側道を直進。
  • 名古屋 方面から名神高速および新名神「瀬田東」ジャンクションから京滋バイパスに入り「宇治東」インター出口を左折。
  • 京都市中心部から京都市中心部から行く場合は国道24号線もしくは宇治川の川岸を奈良方面。

「古都京都の文化財」の特徴・おすすめスポット その9:宇治上神社

「古都京都の文化財」の「宇治上神社」は、1086年~1184年の平安時代後期に建造され、本殿は日本で最古の神社建築であると言われています。

なお、2004年の年輪年代測定法の調査によって、本殿は1060年(康平3年)の木材が使用されていることが解明されています。

この「宇治上神社」の見どころは、下記の6つです。

本殿

「宇治上神社」の「本殿」は、檜皮葺で「拝殿」の奥に置かれ、国宝に指定されています。

この「本殿」は、覆屋内に一間社流造の内殿が3棟「中殿」「左殿」「右殿」と並び、左殿と右殿には重要文化財に指定されている扉絵があります。

なお、本殿の左殿には「菟道稚郎子命」(うじのわきのいらつこ)、中殿には、第15代の「応神天皇」、右殿には第16代の「仁徳天皇」が祀られています。

拝殿

「宇治上神社」の「拝殿」は、国宝に指定され、寝殿造の建造物で、1185年~1274年の鎌倉時代前期に建造され、「宇治離宮」の遺構とも言われています。

清め砂

「宇治上神社」の「清め砂」は、拝殿の前にある2つの円錐状の砂の山で、毎年9月1日に行われる「八朔祭」で氏子によって造られ、1年間盛られ続けるそうです。

この「清め砂」は、「宇治上神社」の「拝殿」横にある授与所で購入することができます。

巨石

「宇治上神社」の「巨石」は境外にあり、「天降石」または「岩神さん」とも呼ばれ、「磐境信仰」(いわくらしんこう)による創祀とも伝えられています。

この「巨石」には、お願い事をする参拝者の小石がたくさん積まれています。

キーワードチェック:磐境信仰
「磐境信仰」とは、外来宗教の影響を受ける前に、自然・精霊崇拝を基調としていた日本固有の信仰(アニミズム)「古神道」における岩に対する信仰のことです。単に「磐座」(いわくら)とも呼ばれる場合もあります。

桐原水

「宇治上神社」の「桐原水」は、宇治茶に欠かせない水と定められた「宇治七名水」の1つで、唯一現存している境内から湧き出ている湧き水です。

ちなみに、「宇治七名水」とは、「阿弥陀水」(平等院鳳凰堂南崖)、「法華水」(平等院の塔頭・浄土院)、「公文水」(橋姫神社)、「泉殿」(JR宇治駅北)、「高浄水」(泉殿付近)、「百夜月井」(宇治町四番保)のことを言います。

春日神社

「宇治上神社」の「春日神社」は、1275年~1332年の鎌倉時代後期に創建されたと言われ、「建甕槌命」(たけみかづちのみこと)と「天児屋根命」(あめのこやねのみこと)が祀られています。

なお、「春日神社」の「本殿」は、檜皮葺の一間社流造で、重要文化財に指定されてます。

この「宇治上神社」の「春日神社」では、毎年6月1日に「献茶祭」、9月1日に「八朔祭」が行われ、「献茶祭」は、1994年(平成6年)に世界文化遺産として登録された直後から行われています。

宇治上神社へのアクセス

住所:京都府宇治市宇治山田59

電車でのアクセス

  • 京阪電鉄宇治線「宇治駅」下車
  • JR奈良線「宇治駅」下車

「古都京都の文化財」の特徴・おすすめスポット その10:高山寺

「古都京都の文化財」の「高山寺」は、栂尾山にあり、栂尾(高山寺)、槙尾(西明寺)、高雄(神護寺)とともに「三尾」と呼ばれ、紅葉の名所としても知られています。

奈良時代に創建され、平安時代には高雄山「神護寺」の別院として「神護寺十無尽院」(じゅうむじんいん)とも呼ばれ、隠棲修行の場とされていました。

この「高山寺」は、実質的には鎌倉時代の華厳宗の僧「明恵」によって創始されました。

「明恵上人」「栂尾上人」とも呼ばれている「明恵」は、「法然」が唱えた南無阿弥陀仏で有名な「専修念仏」の思想を批判し、仏陀の説いた戒律の精神を受けつぐため、生涯にわたって華厳宗の復興、戒律の護持および普及に努めました。

1206年(建永元年)には、その功績から、「後鳥羽上皇」からこの栂尾の地と寺名のもとになったと言われる「日出先照高山之寺」の額を下賜されました。

なお、「高山寺」は、戦火によって室町時代末期に多くの建物を焼失し、現存する鎌倉時代の建物は「石水院」のみです。

江戸時代になり、「永弁上人」と「秀融上人」が1636年(寛永13年)に再建に力を注ぎましたが、明治時代の「廃仏毀釈」によって再び荒廃しました。

その後、1931年(昭和6年)に茶祖の1人「明恵上人」の七百年御遠忌記念に全国の茶道家の篤志によって茶室が高山寺に建てられ、文化財や史料類を保全する倉庫などが再建されて少しずつ復興しました。

この「高山寺」の見どころは、下記の5つです。

石水院

「高山寺」の「石水院」は、「高山寺」のなかで唯一、鎌倉時代の建造物で国宝に指定されています。

創建直後の境内図では、当時は経典や仏教に関する書物を収蔵する「経蔵」でしたが、現在は、寝殿造の居住建築に改造されています。

この「石水院」には、インドの裕福な家に生まれ、文殊菩薩の導きで53人の人々を訪れて悟りを開いたと伝えられる「善財童子」の像があります。

開山堂

「高山寺」の「開山堂」には、「明恵上人坐像」が安置されていますが、当時の建造物は室町時代に戦火で焼失したため、現在の開山堂は江戸時代に再建されました。

法会などの多くは、この「開山堂」で営まれ、1月8日は「明恵上人生誕会」、1月19日には「明恵上人命日忌法要」、11月8日には「献茶式」などがあります。

金堂

「高山寺」の「金堂」は、かつては「本堂」があった位置にあり、桁行3間・梁間3間の一重入母屋造で、釈迦如来像を本尊としています。

なお、この「金堂」も室町時代に焼失したため、江戸時代に「御室仁和寺真光院」から「古御堂」が移築されましたが、周囲は古い木々に囲まれ、その静寂さは、まるでそこだけ時が止まっているかのようです。

鳥獣人物戯画

「高山寺」で「鳥獣人物戯画」は、寺を代表する「日本最古の漫画」と言われ、国宝に指定されています。

現在は、甲・乙・丙・丁の全4巻で構成され、平安時代当時の世相を反映し、動物や人物を滑稽でユーモラスに描いた戯画の集大成と言われています。

各巻の内容は、下記の4つに分かれています。

1)甲巻
様々な動物による水遊び・賭弓・相撲・喧嘩・法要
2)乙巻
馬・牛・鷹・犬・鶏・山羊や、豹・虎・象・獅子・麒麟・竜・獏などの架空の動物
3)丙巻
前半10枚は人々による遊戯を描いた人間風俗画、後半10枚は動物による遊戯を動物戯画
4)丁巻
人々による遊戯の他、法要や宮中行事

なお、最近の研究で、甲巻の中盤と後半の絵が入れ替わったことが確認され、室町時代に「高山寺」が焼失した際に持ち去られた際、甲巻をつなぎ直した際に順序が入れ替わったと推測されています。

また、丁巻の描線が、奔放で他の巻との筆致の違いが目立つため、「鳥獣人物戯画」の作者は複数いたと考えられています。

ちなみに、「鳥獣人物戯画」の甲乙巻は、平安時代後期、丙丁巻は、鎌倉時代に成立したもの言われ、作者は未詳で、「高山寺」にどのように伝えられたのかも謎のままです。

ミステリアスに包まれている「鳥獣人物戯画」ですが、現在、「高山寺」にある「鳥獣人物戯画」はレプリカで、甲・丙巻は「東京国立博物館」に、乙・丁巻は「京都国立博物館」に寄託保管されています。

茶園

「高山寺」の「茶園」は、日本最古と言われ、日本茶発祥の地とも伝えられています。

もともと、「臨済宗」の開祖「栄西禅師」が、「高山寺」の「明恵」に茶の薬効を伝え、「高山寺」のある栂尾(とがのお)に茶の実を送って喫茶を推奨したと言われています。

「高山寺」で育てられた茶の苗木が宇治に移植されて全国的に広まり、中世以降は栂尾での茶の栽培が盛んになり、栂尾の茶は「本茶」と呼ばれ、それ以外の茶は非茶と呼ばれていたそうです。

室町時代に隆盛を極めた、茶の産地を当てる賭け事遊び「闘茶」では、「高山寺」で栽培された「栂尾の茶」(本茶)が最上級と賞されていましたが、「高山寺」の茶園は衰退し、消滅しました。

近年、「高山寺」の「茶園」は再興され、入口に「日本最古茶園」の碑が掲げられ、5月中旬には茶摘みが行われています。

高山寺へのアクセス

住所:京都府京都市右京区梅ケ畑栂尾町8

電車・バスでのアクセス

  • JR京都駅からJRバス高雄・京北線「栂ノ尾」「周山」行、「栂ノ尾」下車。
  • 京都市営地下鉄烏丸線四条駅から、市バス8系統で「高雄」下車

「京都古都の文化財」の特徴・おすすめスポット その11:西芳寺

「京都古都の文化財」の「西芳寺」は、「臨済宗」の寺院で、「天龍寺」の境外塔頭にあり、「苔寺」(こけでら)の通称で知られています。

開山は「行基」で、本尊には阿弥陀如来が祀られ、中興の祖である「夢窓疎石」が「苔寺を」作ったと伝えられています。

「西芳寺」の見どころでもある「苔寺」と呼ばれる庭園は、特別名勝および史跡として指定され、当時は、上段に枯山水、下段に池泉回遊式庭園の2つによって構成されていました。

現在は、境内北方に上段の枯山水庭園の石組みだけが残っており、西芳寺庭園としてよく知られているのは苔の庭で、木立の中には「黄金池」と呼ばれる池を中心とした回遊式の庭園があります。

西芳寺へのアクセス

住所:京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56

電車・バスでのアクセス

  • 京都駅から京都バス73、83系統「苔寺」下車
  • 四条河原町から京都バス63系統「苔寺」下車
  • 京都駅から京都市営バス28系統「松尾大社前」下車
  • 京都駅(京都市営地下鉄)ー四条駅ー烏丸駅(阪急京都本線)ー桂駅(阪急嵐山線)ー上桂駅
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