エフェスの古代都市遺跡 Ancient City of Ephesus
トルコ西部に位置する世界最大級の古代都市遺跡エフェス。エーゲ海沿岸最大の集客力をほこる観光地です。普段あまり遺跡に興味がない方でも、その壮大なスケールに感動してしまうはず。保存状態の良いこの遺跡は、数千年に渡る人々の生活や思いを現在の私たちに伝えてくれます。
エフェスの歴史は古く、紀元前2000年にはすでに人が居住していたと言われています。その後何世紀にも渡って都市として機能し続けてきました。かつては海岸線が近く港湾都市だったため、ローマ帝国による支配時には商業の中心地として発展。エフェス遺跡に残る多くの遺跡はこの時代(2・3世紀)のものが多くみられます。
こちらは古代三大図書館の1つに数えられている「ケルスス図書館」。ローマ帝国下の西暦135年、アジア州の総督ケルススを記念して、息子のガイウスが父のお墓の上に建てたものだと言われています。2階建てのこの図書館には1万2000本もの巻物が収められていました。現在は正面部分しか残っていませんが、それでも当時の壮麗さが伝わってきます。1階部分に並ぶ4つの女性像はそれぞれ知恵・運命・学問・美徳を表しています。
こちらはローマの「五賢帝」のひとりトラヤヌス(在位:98年-117年)に捧げられた「トラヤヌスの泉」。エフェスの三大建築の1つで、当時はたいへん豪華な造りだったようです。コリント式の柱に支えられた噴水にはトラヤヌス帝の巨大な像が立っていました。今でもこの像の足の部分が残っています。
トラヤヌスに次いでローマ皇帝になったハドリアヌス(在位:117年-138年)。彼に捧げられたのがこの「ハドリアヌス神殿」。ハドリアヌスがこの地を訪れた時にエフェス市民によって献上されました。アーチ型の正面玄関には魔除けのためのメデューサや街の守護神ティケなどのレリーフが施され、その美しさは必見です。