レリーフと言えば、ギリシャ神話の勝利の女神ニケのものも残っています。こちらはヘラクレスの門のアーチに飾られていたものだそう。有名スポーツ用品メーカー「ナイキ」はこの女神の名に由来していることで有名ですが、このニケのレリーフのスカートのひだの一部がナイキのロゴにも見えることから、「あのナイキのロゴもここが由来!」とトルコのガイドさんは力説されます。
エフェス遺跡の目玉の1つに、このスケールの大きい「大劇場」があります。山の斜面にそって造られているすり鉢状の劇場で紀元前3世紀ごろに建設されたもの。何度か再建、改修が行われ、今の状態に完成したのは西暦2世紀トラヤヌス帝の治世中です。かつては3階だての建物で、約2万4千人を収容できたと言われています。演劇、コンサートだけでなく、ローマ人が好んだグラディエーターと猛獣による戦いなどの見世物も行われていたようです。ライオン用の檻や通路が残っています。
photo by José Luiz Bernardes Ribeiro
「テルマエ・ロマエ」ではありませんが、ローマ人と言えば大浴場。エフェス遺跡にも「スコラティカの浴場」という遺跡が残っています。ハドリアヌスの神殿の近くにあるこの大浴場は西暦1世紀に建設されたもの。典型的なローマの大浴場の造りで3種の浴場、談話室がありました。床暖房の機能まで備わっていたようで驚かされます。
大浴場の近くにはこんな遺跡も。座席の下には水が流れており、すでに水洗のトイレが使用されていたことがわかります。仕切りの扉は無く、一種の社交場として機能していました。
他にもまだまだ見所の多いエフェス遺跡。この遺跡から発掘された品々は「エフェス考古学博物館」で見ることができます。エフェス遺跡から少し離れたセルチュク市街にあるこの博物館では「美しきアルテミス像」など、見応えのある出土品がわかりやすく展示されています。