おもしろいモザイク画というと「キリストと皇帝コンスタンティノス9世・ゾエ夫妻」。コンスタンティノス8世には息子がおらず、娘のゾエの夫が皇帝の座を受け継ぎました。ゾエが最初に結婚したロマノス3世によって寄進されたと考えられているのがこのモザイク画。しかしその後ゾエは2度再婚しています。夫である皇帝の顔や銘文は、恐らくその都度作り直されたのでしょう。このモザイク画に出ているのは最後の夫、コンスタンティノス9世。夫の顔の部分だけが他の部分に比べて新しいのが今でもわかります。11世紀半ばの作品と言われています。
中央のドームは直径が30m、高さは56m。ユスティニアヌスが、1万を超える人々と莫大な資金、当時最高の建築技術を投入して完成させました。しかし20年後、地震によってドームが崩壊してしまいます。現在のドームはその当時に再建されたもので、40個の窓を新たに設けることによってレンガの数を減らし、総重量を軽くする工夫がされました。
1階の石畳のスロープ近くには「湿った柱」が。地下の貯水池からの湿り気で、濡れているように感じられるのでこの名前がつきました。魔術師が様々な力をこの柱に与えたという伝説があり、柱に空いた穴に指を入れ、そこを支点に手の平を360度回すことができれば、頭痛が治ったり、子宝に恵まれるなどと言われています。
そしてアヤ・ソフィアと言って忘れてはならないのがこの方。ふわふわの案内係、猫の「グリ」さん。生まれも育ちもアヤ・ソフィアというグリさんは、毎日、観光客を相手にがんばっています。かのオバマ大統領に撫でてもらったり、写真家岩合光昭さんの「世界ネコ歩き・イスタンブール編」にも登場した有名な猫さんです。
なぜかスポットライトがお好きなグリさん。アヤ・ソフィアに行かれたら探してみてください。
激動の歴史を辿ってきた「アヤ・ソフィア博物館」。イスラム教とキリスト教という二大要素が渾然一体となった唯一無二の空間は、博物館という枠では収まりきれないスケールの大きさです。この歴史的建造物を訪れて、あなたも壮大な歴史ドラマを感じてみるのはいかがですか。
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